ハノイで過ごした2020年を振り返る
Yuji Matsumoto / December 31 2020
はじめに
色々あった 2020 年が終わった。自分が何をやっていて、どんなことを考えていたのか忘れないためにも、トピック毎に振り返っていきたいと思う。
今年やっていたこと
コロナ禍のベトナムで約 1 年過ごした
自分は現在ベトナム・ハノイに住み、仕事をしている。今年の初めに旧正月休暇を利用して日本に帰国し、寿司とラーメンを食べ、ひとしきり満足してベトナムに戻ってきたのだが、間もなくして日本でコロナウイルスの感染者が増えているというニュースを目にするようになる。
ベトナムは日本と比べると体制の持つ権限が強く、早くから感染対策が講じられていたこともあって、しばしば自分は「危険な感染症の流行っている国からやってきた外国人」という扱いを受けた。自分のベトナム語力では「いやいや、俺が入国したのは日本でコロナが流行る前だし、そもそも入国から 2 週間以上経ってるし...」 とも説明できず、なんとも言い難い不安を感じていたことを覚えている。
程なくしてハノイでも市中感染が発生し、社会隔離(ソフトロックダウン)が実施された。 生活必需品を販売する店以外営業停止・それらを購入する目的以外で外出することの禁止、という内容だった。(もっと色々禁則事項があった気がするがうろ覚えである)
ロックダウン期間中、初めての在宅勤務を経験した。Discord で通話しながら作業したり、VSCode で画面を共有しながらペアプロしたり、普段は使わないツールを使いながら勤務できたのが新鮮だった。 また、フードデリバリー周リのインフラが急速に発達し、今まで店に行かなければ食べられなかったような食品が家で食べられるようになった。ロックダウン中の方が美味しいご飯を食べていた気さえする...
ロックダウン解除以後、ベトナムではポツポツと感染者は見つかっているが、大きな事態には陥っていない。マスクをする・消毒をする・体温を測られるといったこと以外、驚くほどコロナ以前と同様の日常生活を送っている。 が、依然ベトナムへの入国は厳しく制限されている。ベトナムに入国できなくなってしまった方々が、2021 年には帰ってこれることを願っている。そしてまた、 Trà đá でもひまわりの種でもしばけると嬉しい。
立場の変化
今まではヒラのエンジニアだったが、今年の春先からリードエンジニアになり、メンティーを持つことになった。自分で好きにコードを書いていれば良い、という立場から、持っている知識を伝え、成長をサポートする立場になって思うのは、誰かと向き合い続けるのはプログラミングの 100 倍難しい、ということである。
「どうすればこの判断に納得感を持って貰えるのか?」「直接言うのも憚られるようなフィードバックはどのように伝えれば良いのか?」といった問いに悶え続ける日々が続いた。 未熟にも自分の感情をコントロールできず怒ってしまう => 怒っている自分が嫌になる、の流れが時たまあり、「なんで自分はこれをやっているんだっけ」と腐りそうになってしまうこともあった。
人とどう関わるか、ということに悩み続けた1年だったが、自分を救ってくれたのも人とのコミュニケーションだった。しんどい時期に相談に乗ってくれた方々・自分を信じ、トライアンドエラーを受け入れてくれたチームメンバーに感謝したい。2021 年は少しでも多くの恩を彼ら・彼女らに返せればと思う。
カメラ
学生の頃、ちゃんとしたカメラを持つことに憧れていたのを突然思い出し、フィルムカメラを購入した。普段デジタルな世界で仕事をしているので、撮った結果がすぐに見られない・メンテナンスの手間がかかるといった特徴が新鮮に感じられる。まだ数ロールしか現像していないが、これからも続けると思う。
今年聞いていた曲
https://open.spotify.com/playlist/37i9dQZF1EM4tyOzog7udU?si=OyLtPhuIQl231OGUlX0Jrw
オンライン開催された DK SOUND で知った It'll All Be Over にメチャクチャ助けられた。
触っていた技術
カテゴリもバラバラに、思いついた順に列挙してみる。
- React.js
- Next.js
- Preact.js
- CSS
- styled-component
- emotion
- postcss
- tailwind
- ChakraUI
- flow
- TypeScript
- GraphQL
- apollo
- hasura
- nexus
- graphql-codegen
- prisma
- pixi
- Node.js
- express
- FeathersJS
- NestJS
OSS
今年は ↓ のような PR を出したりしていた。 継続的に特定のリポジトリに contribute し続ける、といったことはできなかったが、業務で使っているライブラリに PR を出したり、自分より圧倒的に強い世界のエンジニアに自分のコードを読んでもらえたりして、やってよかったなと思う。
- https://github.com/GoogleChromeLabs/proxx/pull/517
- https://github.com/DefinitelyTyped/DefinitelyTyped/pull/47751
- https://github.com/vercel/next.js/pull/18493
- https://github.com/Nextjs-ja-translation/Nextjs-ja-translation-docs/pull/78
- https://github.com/hasura/learn-graphql/pull/152
個人的には、GoogleChromeLabs/proxx に rollup の config 変更の PR を送ったことと、Next.js の v10 が発表された直後に Preact の example を更新する PR を送ったことが印象に残っている。
来年に向けて
足りない知識のキャッチアップ
知らないこと・経験がないことに危機感を感じる技術郡は以下の通りである。これについては、もうやっていくしかないので、手を動かす機会を作る。
- AWS/GCP
- これぐらいのトラフィックだったらこれぐらいの大きさ・数の〇〇が必要、といった感覚
- どのサービスで何ができるのか、といった概観の理解
- 運用の経験
- a11y
- Sentry などのログ収集系
- fastly /Cloudflare など edge computing の知識
- 画像リグレッションテスト
- デザインシステムの構築
- ECMAScript / W3C など普段触れているものの仕様を全部読み切っていない
- 低レベルな API / プロトコルの自力実装経験
- RFC から ○○ を実装してみよう!的なもの
- JavaScript / TypeScript 以外に手に馴染む言語がない
- Rust 書いてみたい
コミュニティへの露出
技術記事の執筆数が足りないと感じている。2021 年は zenn / dev.to あたりに定期的に記事を投げれるようにしたい。
ベトナム語
1 ヶ月ほど前からベトナム語の勉強を(今更)始め、なんとなくチャットが読めるようになったり、会話の内容が聞き取れたりするようになってきた。が、まだ文章を書いたり、喋ったり、ということは全くできない。 今取り組んでいる教材が終わったら、ベトナム語教室に通うのもありかなーと考えている。
おわりに
重ねてになるが、2020 年に自分と関わってくれたすべての人に感謝をしたい。 特に、自分を育て使ってくれた上長のゆうしさん・今の組織体制に移行する以前から、根気よく一緒に働いてくれた Trang には心からお礼を言いたい。 2021 年には、自分の身の周りの人々が、やりたいことを望む場所で、あたりまえにこなせる日常が訪れることを強く願っている。
今年もよろしくお願いいたします。